耳垢(みみあか)について
2024/04/22
(耳垢について)耳は外耳、中耳、内耳に分かれており、耳垢は外耳道(外耳)に溜まります。
耳垢は分泌腺からの分泌物と外耳道の剥がれ落ちた皮膚が混じり合ったものです。時に感染源となることがあります。
1)基本的に耳には自浄作用があるため何もしなくても耳垢は自然に体外へ排出されます。
2)耳掃除は奥側の耳垢を取り出すのではなく、外側まで出てきたものをふき取る程度で十分です。
奥まで綿棒などをいれた場合、出てこようとしている耳垢を押し込んでしまい、かえって耳垢が溜まりやすくなります。
3)綿棒ではなく、細い竹や木、金属製のものもありますが、硬い素材の物は外耳道を傷つけやすく、感染し炎症を来すことがあります。外耳道の炎症が生じると激しい痛み、耳漏、難聴を生じ通院する必要があります。
(耳垢除去について)
子供にとっては慣れない場所で見慣れない他人に処置をされるのですから、クリニックでの耳垢取りはとっても怖いものです。当院では小さいお子さんが少しでも安心して通えるよう環境に配慮して診察を行っています。
耳垢鉗子(じこうかんし)という専用の道具でとります。
緻密な構造で耳垢にはこれが無いと綺麗に取れません。時々お子さんがはさみと思って怖くなってしまうのですが、はさみのように何かを切るのではなく、耳垢を挟む道具なので安心して処置を受けてください。
お子さんの耳垢が安全に取れるかどうかは十分な設備も必要ですが、一番重要なのはじっとしていられるかどうかです。怖がってしまう場合は保護者の方に抱っこして頂くので、その時の固定がしっかりとできるかどうかが大事となります。
家庭で耳掃除を行う時にカリカリ・ゴソゴソいう箇所があれば、つい全て取ろうとやりすぎてしまうことがあります。その結果皮膚を傷つけて痛みや耳漏を伴う外耳炎になる場合もあります。
耳には自浄作用があり耳掃除を積極的に行う必要性は無いと言われていますが、中には耳垢が外耳道を完全に塞いでしまう耳垢栓塞(じこうそくせん)になっている方もいます。
子供の場合、耳垢栓塞であっても耳の異常を訴える方は多くありません。これは耳栓をしているのと同じ状態なので、気づかないうちに難聴の原因にもなります。
耳垢栓塞を防ぐため、家庭では時々誰かにライトで耳の中を照らしてもらい耳垢が溜まっていないかチェックしてもらうことも有用です。
奥に大きな耳垢がある際は、綿棒で書き出すことは難しく奥に押し込んでしまうため、耳鼻科での除去をお勧めします。